剣道豆知識
ここでは知っているとちょっと自慢できる剣道具の豆知識を紹介します。
剣道具に鹿革が使われる理由として、動物の中でも一番繊維が細かく通気性・伸縮性に優れているためです。現在国内の鹿を使用することはほとんどなく、ニュージーランドや中国からの輸入が多いです。現在は中唐・小唐を使い、キメが細かく強く柔らかい小唐は高級品に使われます。
軽量防具とはいえ、打突部位には通常の防具と同じ仕様にしてありますのでご安心ください。
「花は桜木・人は武士」と言う言葉があり、桜の散る潔さを美しいと思う日本人の感覚から桜を裏革に使い、「蜻蛉」は別名「勝虫」と言われる様に決して下がらず、真っ直ぐに飛ぶ様も武士の縁起かつぎとして愛されていた事から、裏革に使う様になりました。
ファイバー胴は丈夫な紙を何枚も張り合わせ圧縮し樹脂で固めた物です。ヤマト胴は強化プラスチックの胴で、「50本型」・「60本型」というのは裏側が竹胴のような形状をしているもので通常のものより強度が高い胴の事です。
はい本当です、ガンギエイというエイの仲間です。硬くザラザラした革は胴を作るのに非常に困難で、仕上がるまで一年以上かかる事もあります。その美しさと高級感はいつまでも剣道家の憧れの逸品です。
赤は視野を広くすると言われており、また目に残像が残らない色でもあると言われています。重箱やおわんの内側・神社の柱なども赤で塗られていますが、赤は日本人にとって馴染みやすい色なのも一つの要因でしょう。
藁で燻した牛革の表面に植物からとった「渋」を塗り、次に液状の鉄を塗ります。液自体は黒くありませんが、渋と鉄が化学反応を起こし茶色の牛革が黒くなっていきます。黒くなった革を手でもみ「しぼ」をつけていき、しぼをつけたらでこぼこの山の部分に生漆を塗って光沢を出します。さらに油漆という黒い漆を塗り仕上げにもう一度重ね塗りをし乾かして完成です。こうした手間をかけて完成した手もみ黒桟革は数少なく、専門の職人でも月20枚程度しか作れない大変貴重なものです。
見た目の美しさもありますが、胴に貼っている革を保護する意味もあります。木の橋や神社の柱に塗られている漆も木を保護する役割を果たしていますが、日本の伝統技術は防具の中にも生きているのです。胴の様々な変わり塗りは剣道具の中で数少ない趣味が入りこめる所と言えるでしょう。
「仁・義・礼・智・信」の五倫五常の道を意味し、折り目正しくということでもあります。袴をはくたびに心に刻み、日常の心掛けに結びつくようにと言われています。
動物の皮はそのままにしておけば堅くなり濡れたままだと腐ってしまいます、そこで毛や脂肪を取り除き柔らかく強くする方法を「なめし」と言います。原皮を石灰づけ、脱毛、皮の肉面に付着している肉片や脂肪を取り除きます。用途に応じて配合されたなめし剤の槽につけてから、水絞り(革中の余分な水分を絞り出す)やシェービング(革の肉面を削り、一定の厚さに調節する)等の行程を経て、仕上げます。
竹胴と同様に革鍔に適した素材も水牛の皮で、皮の厚い頭と尻の部分が上等とされています。特に粒子の細かい尻の部分が良く、磨き鍔などの高級品に使われる事が多いです。
「吟」とも「銀」とも言われ語源ははっきりしません、柄の素材は牛皮です。革の表面を吟といい吟を剥がしたあとの裏一枚皮を床革と呼び、上等品には吟革を使い、普及品には床革を使います。吟革は表がつるつるしており裏はしっとりザラザラしていますが、柄革・先革はザラザラした裏皮を表にして使います。
高級品の竹胴を作るには大変な技術と時間が必要です。まず小幅に割った孟宗竹を琴糸でつなげた胴の原型を作り、その上に水牛の皮を貼り天日干しにします。この水牛の皮は厚さ・油分共に申し分なく竹や漆との相性はきわめて良く、こうして出来上がった胴台に漆職人の手で漆を塗り仕上げます。
藍染には色々な効果があります。汗の酸化に強く生地を長持ちさせることが大きい要素ですが、さらに消臭・抗菌性もありアトピー・あせもなどを防ぐともいわれます。使いこむほどに美しい風合いに変化していきますが、藍染は染めの回数によっても瓶覗(かめのぞき)水浅葱(みずあさぎ)浅葱(あさぎ)納戸(なんど)縹(はなだ)紺(藍染の色)褐色(かちいろ)など呼び名が変わっていきます。また英語では藍色の事を「ジャパン・ブルー」とも呼びます。